バーチャルオフィスを使ったペーパーカンパニーの税金はどうなる
バーチャルオフィスは登記や登録などに使える住所を貸すサービスです。あくまで擬似的なオフィスなので、そこで事業ができるわけではありません。 その特徴を利用し、バーチャルオフィスを使ってペーパーカンパニーを設立するケースがあります。 ペーパーカンパニーは登記にのみ存在する会社のことで、それ自体は合法的なものですが、しばしば脱税や詐欺などに用いられるため問題となっています。
ペーパーカンパニーは事業実態がなく、バーチャルオフィスを用いて設立することでほとんどコストをかけることなく維持することができます。 しかし、ペーパーカンパニーとはいえあくまでも「カンパニー(会社)」です。そのため、バーチャルオフィスで作ったとしても最低限のコストは発生します。 中でも重いコストは税金です。 かかる税金は例として法人税や法人住民税が挙げられます。法人税やは得られた利益に課税されますが、法人住民税は利益があっても利益がなくても課税されます。 税金だけではなく、税金に付随して発生する事務コストも決して少なくありません。法人では税理士や会計士に頼むのが一般的であり、顧問料や依頼料が発生します。
ペーパーカンパニーがバーチャルオフィスに作られるのはなぜ?
バーチャルオフィスを使った会社はペーパーカンパニーと間違われることがあります。そのため実態のある事務所を持った会社に比べ、バーチャルオフィスを用いて作った会社は信頼性が若干低いです。 ペーパーカンパニー自体は法律的になんら問題ない存在ですが、多くの場合良からぬ行為に使われるため、取引をしてもらえない場合があります。銀行や官公庁などは特にペーパーカンパニーを厳しく見ています。 バーチャルオフィスはサービスの形態上、そこに会社の実態は存在しません。ペーパーカンパニーもまた実態のない会社なので、バーチャルオフィスを用いた会社はペーパーカンパニーと間違われてしまうのです。
ペーパーカンパニーは大抵の場合、脱税をしたり詐欺やカルトの隠れ蓑になったりと良からぬことに使われてしまいます。ペーパーカンパニーの住所には以下の2つがよく使われる傾向にあります。 1つはアパートなどの賃貸住宅の一室です。賃貸住宅は通常の貸事務所などと比べ家賃が安く、ちょっとした荷物も置けるためペーパーカンパニーに用いやすいです。 しかし、賃貸住宅は契約で営利活動が禁止されている場合も多く、ペーパーカンパニーであればなおさら許可はされづらいでしょう。そのため、誰かが賃貸住宅を転貸しペーパーカンパニーなどに貸し出すケースもあります。転貸も家主の同意がなければ契約違反となります。 もう1つがバーチャルオフィスです。バーチャルオフィスとは登記などに使う住所のみを貸し出す実体のないオフィスを指します。近年ではバーチャルオフィスを用いたペーパーカンパニーも増えてきています。 事務所としての実態のないバーチャルオフィスに、同じく営業実態のないペーパーカンパニーは最適です。 しかし、バーチャルオフィスには同じ住所に複数の会社が入るため、もしペーパーカンパニーが摘発されれば同じ住所を利用する会社すべてに迷惑がかかるので注意しましょう。