バーチャルオフィスは不動産業でも活用できるのか
少しでも費用を安く抑えながら、不動産業を開業したいと考えたことがある人は多いのではないでしょうか。 起業後ネットでの集客を考えているのであれば、なおさら事務所の費用は少しでも安く抑えたい部分だと思います。 Web上のやりとりが当たり前になってきた昨今、不動産業もバーチャルオフィスを活用して運営出来ないかと検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、バーチャルオフィスを活用しながら不動産業の運営は可能なのでしょうか。
レンタルオフィスの場合は、専用で使える部分がなかったり、入室できるのが契約者のみと限られていたり、バーチャルオフィスをであったりと、各オフィスによって様々な形態や制限があります。不動産業を運営するにあたっての基本的な要件として「社会通念上も事務所として認識される程度の独立した形態」というものがあります。まずは、専用部分を賃借しなければいけませんし、賃借したとしても「他社との事務所の共同使用に該当する可能性」という部分が引っ掛かります。例えば、レンタルオフィスを利用していた場合、接客時に会議室などの共用部分でしか対応できないとなると、不動産業運営にあたっての要件を満たしていないと判断されてしまいます。そうなると、バーチャルオフィスは論外となってしまいます。
不動産業でバーチャルオフィスを活用する場合、条件を満たすことができるのか
不動産業を開業する際のオフィスにおける必要条件としてまず、「オフィスは一カ所に定着していること」が挙げられます。バーチャルオフィスは住所としては定着したものになりますが、接客時に使用する専用部分が必要であることから、バーチャルオフィスは条件を満たさないことになります。 また、必要条件から考えると、従業員が増えたことにより事務所を移転、不動産業が軌道に乗ったため立地のいいところに移転ということを気軽には行うことができません。不動産業は開業時から、売り上げなど長い目で見て予測をしておき、開業する場所を決める必要があります。バーチャルオフィスでは最短契約でも2か月という場所などもあるので移転すること自体は簡単ですが、移転を最初から視野に入れるのであれば、不動産業の起業ではバーチャルオフィスは不向きなのではないのではと考えられます。
不動産業では、自社で借りた場所は自社だけが使える契約でなければならず、同じ場所を時間帯によって他社が使用できてしまう状況があると不動産業運営にあたっての要件を満たしてないとみなされます。その為、バーチャルオフィスで住所を借り、接客時のみ会議室などを借りるということもできません。 上記でバーチャルオフィスは最短契約2か月という場所もあると記載しましたが、契約期間が短すぎると事務所としての定着性が認められません。 レンタルオフィスでも契約期間を1ヶ月単位としている業者も多いですが、契約期間は最低でも1年以上が望ましいため、長期間を一括で借りることは可能か必ず確認しておいたほうがよいでしょう。 不動産業においては、バーチャルオフィスは事務所としての実体がないため活用することは不可能です。 宅建業免許の申請時には、事務所内の写真を撮影して提出する必要がありますが、バーチャルオフィスでは写真撮影ができないため申請書類を揃えられず、そういった点でもバーチャルオフィスは不動産業では活用できないでしょう。