バーチャルオフィスを不動産業で活用する利用価値
バーチャルオフィスで宅建業の免許を取得することはできませんが、不動産屋を小規模で開業したいという人にとっては、バーチャルオフィス業が提供するサービスである、電話番号やFAX番号の取得や、秘書代行業などは利用価値はあります。 宅建業の免許取得が不可能だからと知識をつけないのではなく、不動産業でも利用できるものはないかと情報を集めてみるのもよいのではないでしょうか。
ビルやマンションなどの賃貸契約の場合、基本的には契約書に「第三者に転貸することを禁ずる」という定めが記載されています。不動産業ではこういった「又貸し」が禁止されています。不動産の所有者は、申し込んだ人が賃料の延滞をしないかどうか十分に審査して物件の貸し出しを決定しています。当然、物件の所有者はよくわからない人に貸したくはないでしょう。もし、自分の所有する物件がバーチャルオフィスとして見ず知らずの第三者に貸し出されることを所有者が知った場合、契約の解除を要求することもあります。トラブルにつながりますし、不動産業者からも信頼を失うことにもなるでしょう。しかし、多くの場合は事前に許可を取ってからバーチャルオフィスとして運営しており、問題は起こりにくいと考えられるので安心して活用してよいでしょう。
レンタルオフィスにはシェアオフィスやバーチャルオフィスも含まれる
不動産業を運営するにあたって、事務所が必要になります。その際に候補にあがるレンタルオフィスとは、ひとつのスペースを複数の利用者で共有するシェアオフィスや、実際に入居はせずに、住所・電話番号だけを借り、郵便物は転送、電話にはオペレーターが応対するようなバーチャルオフィスを含みます。コスト削減を考える事業主の方々から注目を浴びており、オンラインで仕事をすることが増えた昨今では特にバーチャルオフィスが注目されています。 不動産業でもシェアオフィスやバーチャルオフィスを活用できないかと考える方も多いかもしれませんが、宅建業免許を取得しようとする場合、シェアオフィスやバーチャルオフィスでは不動産業の事務所要件をクリアできませんので注意が必要です。また、宅建業免許の取得が出来ないというだけでなく、不動産業を運営することも不可能に近いでしょう。
不動産業を行う場合、宅建業法で定められた通りの事務所にするには、この設備がないと不動産業を営む事務所として認められないというものがあります。不動産業を行う際には、まずは事務所の表札と事務所名が記載されているポストが必要です。バーチャルオフィスで住所や電話番号だけ借りることは可能だとしても、表札とポストも必要となると不動産業でバーチャルオフィスを活用することは現実的ではないでしょう。 また、基本的に有人受付のレンタルオフィスの場合、受付の人が郵便物を受け取り各事務所に届けるため、個々の事務所のポストというものはなかなかありません。そのため、もしレンタルオフィスを不動産業で活用したいと考えるのであれば、表札やポストをどこかに置かせてもらえないか交渉しなければなりませんが、住所や電話番号、FAX番号の貸し出しをメインに行っているバーチャルオフィスの方が多いでしょう。 そして宅建業法上、固定電話も必要です。バーチャルオフィスを活用する場合は社用携帯などで対応することも多いかもしれませんが、今の法律では携帯電話の番号は通らないので気を付けましょう。